一口馬主の喜怒哀楽

社台&サンデーレーシングの一口馬主をして感じた喜怒哀楽を赤裸々に綴っています。現在、イスラボニータ(社台RH)、バンゴール(サンデーR)に出資中。

番外編:五十嵐騎手の弱点

五十嵐騎手の弱点

馬に一度も乗ったことのない私が表題のような偉そうなことを言える立場ではないのだが…。このままではコスモバルク菊花賞は勝てないだろう。バルクの実力は申し分ないものだと思うのだが、いかんせん騎手がそのレベルに達していない。

今年の天皇賞・春横山典騎手が伏兵イングランディーレでまんまと逃げ切ったのは記憶に新しい。淀の坂を2度越える菊花賞天皇賞・春などの長距離の大レースは、馬の実力もさることながら騎手の腕も結果を大きく左右する。

私が気になっているのは、五十嵐騎手のいわゆる騎乗技術うんぬんではない(…というか私が技術面でプロの騎手にいえることは何もない)。しかし、私にも気になる点がある。五十嵐騎手のその『判断の遅さ』である。

先日のセントライト記念を思い出してほしい。

レースを見ていた人なら判ると思うが、スピードの違いでどうしても前に前に行きたがるバルク。5番手から3番手…1コーナー手前ではさらに掛かり気味に順位を上げていった。素人目にも馬が行きたがっているのが判るような走り。乗っている五十嵐騎手はなおの事それを感じただろう。

1コーナーを曲がって2コーナー…、とうとう先頭をいく馬に並びかけたバルク。この一連の流れでおよそ10秒ほどあっただろうか。その間、五十嵐騎手は『行くべきか、抑えるべきか』迷ったに違いない。

その間、五十嵐騎手は何をしていたかというと…ただ『迷っていた』だけにしか私には見えなかった。行くでもなく、控えるでもない…。まるで金縛りにあってしまったかのように固まってしまった五十嵐騎手。結局2コーナー過ぎではもう行くしかなくなってしまった感じでハナにたった。

その後は折り合いがつき、結果だけを見ればレコードで押し切ってしまった。





私が気になったのは、このハナにたつまでの10秒もの長い時間、『行くべきか、抑えるべきか』という選択すら出来なかった五十嵐騎手の判断の遅さである。

コンマ1秒差あればハッキリと勝ち負けが決する競馬の世界で、五十嵐騎手のように、10秒以上も思考停止(何も出来なかったという点から見ればそう言わざるをえない)に陥ってしまうのは致命的な弱点だ。

そのような騎手が、武豊騎手や安藤勝騎手のような大胆かつ的確な騎乗を見せる天才肌騎手や、その他菊花賞で一発やってやろうと一か八かの勝負かけてくる騎手達や馬を抑えて勝てるとは到底思えない。

ひどい事を書いてるが、五十嵐騎手は決して『判断の遅い』騎手ではなかった。

コスモバルク2歳時、百日草特別では9番人気ながら道中、果敢にハナを奪って大金星をあげ、今のコスモバルクの快進撃の立役者となっているし、弥生賞では相手をメイショウボーラー一頭に絞り徹底したマーク戦法で快勝した。

要はあれから月日が流れ、失うものが何もない挑戦者の立場とは状況が一変してしまったことが大きい。

TVでも特集を組まれ、オーナーや地元の期待が大きいこと、セントライト記念で3着以内に入らなければ菊花賞に出走できない事など…五十嵐騎手は痛いほど判っていただろう。

そういう色々なものが、あの10数秒、五十嵐騎手を金縛りに合わせてしまったのだろう。だが、どんな事情があれ10秒以上も迷っている騎手に勝負の神様が(今回と菊花賞の)2度も微笑みかけることは…きっとない。

レース後の五十嵐騎手の表情は決して満面の笑みではなかった。勝ったのは馬のおかげ。今のままでは菊は勝てない…きっと自分の騎乗を反省していたに違いない。

五十嵐騎手は、武豊騎手や安藤勝騎手のような時として驚異としか言えないヒラメキを発揮するような騎手ではない。そんな彼が受身になってしまっては彼らのいいようにやられてしまうだろう。





コスモバルクは掛かる馬なのだ。

この現実から目を背けずに、何十通りものレース展開を徹底的にシミュレーションして、こうなったらこうする…と決めてからレースに挑むのがイイと思う。

武豊騎手はよく「ゲートを出てから考える」というコメント出すが、それは彼だから出来るのであって、残念ながら五十嵐騎手にはそんな芸当は無理だということが(皐月賞でも兆候があったが)セントライト記念で完全にハッキリした。

菊花賞では五十嵐騎手がいかに自分から仕掛けていくか。いかにレースを主体的に進めるか…。そこが勝負の分かれ目ではないかと思う。スタート直後でもレース中盤でも終盤でもいい。我々が「五十嵐が動いた!」とアッと驚くような騎乗をした時、コスモバルクに勝利のチャンスが芽生えるのではなかろうか。