一口馬主の喜怒哀楽

社台&サンデーレーシングの一口馬主をして感じた喜怒哀楽を赤裸々に綴っています。イスラボニータ(引退→種牡馬)、バンゴール(引退→繁殖牝馬)に出資していました。現在は小休止中。またイスラボニータ、バンゴール産駒で一口馬主になりたい。

オススメの競馬本『「ROUNDERS」vol.4 特集「馬見 サラブレッドの身体論」』の紹介

一口馬主にオススメの本がある

このブログを見にきてくれる方は、イスラボニータが好きとか、一口馬主をやっている…とか、一口馬主に興味がある…というような方が多いと思います。

今回は既に一口馬主をやっている人、または一口馬主に興味があるんだけど…という方にオススメの本を紹介します。

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「ROUNDERS」vol.4 特集「馬見 サラブレッドの身体論」

「ROUNDERS」vol.4とは

この本は「ガラスの競馬場」という、コラムあり、馬券術指南あり、コース解説ありの素敵な競馬ブログを運営されている治郎丸敬之さんが中心となって執筆された本です。

「ROUNDERS」は現在のところ、vol.1から4まで出版されており、その最新号となりますね。

この「ROUNDERS」vol.4はサブタイトル「馬見 サラブレッドの身体論」にあるように、馬体の見方にスポットライトを当てた巻です。

冒頭は二ノ宮調教師のインタビュー。いきなりボリューム満載、玄人好みのインタビュー内容にアッという間に引き込まれます。馬の基本的な見方から始まり、エルコンドルパサーの追い切りは

”併せ相手が一頭だと(エルコンドルパサーについていけずにラストまでもたずに)脱落してしまうので、前後半に分けて一頭ずつ用意して二頭でやった”

というような秘話が散りばめられています。

目玉コーナーは「馬見」特集

そしてこのvol.4のメインとなる特集コーナーは「馬を見る天才になる!」という「馬見」についての内容。

治郎丸さんは(飛節とか、前胸など)「専門用語をあえて使わず、なるべく誰にでも分かるような言葉で説明していく」との事。

また、クイズ形式で「二頭の馬の胴体、どっちが長いか短いか?」と、具体的な(当時の)直近の重賞ホースの写真を掲載したうえで解説。

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そんな感じで「脚の長い、短い」「首の長い、短い」「背中の角度」「目つきの良い、悪い」「毛ツヤの良い、悪い」などを写真を載せ、対比したうえで解説してくれます。

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最後には実在(当時の)現役ホースを名前を載せないで「あなたはどう見る?」というようなページが続きます。

治郎丸さん、実は最終的には「正しい馬の見方なんてない」と結んでいます。それは馬見というものは、馬の体のどれか一点、二点だけをチェックすれば良いというものではなく、それこそ何十、何百、何千と無限にポイントがあり、かつ、部分ごとに見たってダメだ…と。あくまで全体的としてどうなのか…というのが大事と説いている。

まったくもってその通りだが、初心者にはそもそも「胴が長い」とか「短い」とか言われたって分からないので、実在馬の写真で対比して見れるのはとてもありがたいのです。

(なるほど、これが「胴が長い」という事なのか)

と、しっくりくるわけであります。

「ROUNDERS」のこぼれ話

イスラボニータが皐月賞を勝った日、レース後、お知り合いさんが西船橋駅の近くで祝勝会をしてくださったのですが、そのメンバーの中にこの「ROUNDERS」シリーズの編集人である荒木さんもいらっしゃいました。

ちょうどこの「ROUNDERS」vol.4の仕上げの時期だったようで忙しそうでしたね。

裏話として聞いたのは、この本に使われている馬の写真の使用料は相当に高額だったらしく、ボヤいていました。

ここからは私の想像ですが、馬の写真もほとんどがカラーで掲載してますから、印刷代もかなり掛かった事でしょうね。

その当時から「さすがにネタが尽きた」(だったと思います)という事で、このvol.4で一旦一息つく…という事でした。それ以降続刊が出ていません。

その時もお伝えしたのですが、その後治郎丸さんも一口馬主を始められたという事もあるし、ぜひvol.5として「一口馬主の世界」なんてサブタイトルで最新号を制作してほしいなあ…なんて思っています。

「ROUNDERS」は自信をもってオススメ出来る本

他にも写真家さんのコラムがあったり、パドックでの見方があったりと読み応え十分です。

シリーズ全般に言える事ですが、この「ROUNDERS」は、かなり硬派でボリューム満載の内容です。それでいて、読みやすい文章・レイアウトになるように工夫されており、ページをめくる手が止まらない、一度読んでも何度でも読み返したくなるようなスルメのような本です。

競馬新聞とかだと(競馬をしない人からの視線的に)ちょっとカバンに入れづらいですが、この本は他人に見られても全然平気だし、逆にこの本がチラッとカバンが見えてしまったら多くの人は

(え?何その本、ちょっと見せて)

と興味がわいてくるようなカッコイイ装丁です。

実際に中を開いてみせて、馬の事を知らない人にも「ほら、馬って一頭一頭全然違うんだよ」なんて事を本を見せながら話しをしたりも出来ちゃいます。


約2000円と決して安くはない価格ですが、それに見合うだけの、それ以上の価値がある本であると、自信をもってオススメします。


一口馬主をやってみたいけど…とか、一口やってるけど全然走る馬を当てられない…という方に。単に競馬が好きな人で、ちょっと時間ができたり、電車の中で読むにももってこいです。